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珍しくも彼は町の中にあるアクセサリーの店にいた。 なにやら店員に話しかけたと思うとカウンターに移動し、包みを持って店を出てきた。 「見ましたわよ〜♪」 ビクッ 突如かけられた声に黒いマントが包む肩が大きく揺れた。 「…ウィ……ウィッチ………」 ニッコリと微笑みをたたえてホウキを片手にもつ少女に彼はマズイところを見られたとばかりに冷や汗をかいていた。 「…別に気になさらなくてもいいんですわよ」 コトンッ シェゾの前にお茶を差し出してウィッチは言った。 (そういわれて気にしないわけにもいかんだろう…) 苦い表情をしてシェゾはそう思った。一ヶ月前のことを思い出してしまい、非常に居心地が悪かった。 「だって… 私ふられるの分かっていましたもの」 少し寂しそうな苦笑を浮かべて、ウィッチが言った言葉にシェゾはなに?と顔をあげた。 「気が付いてなかったのは当人たちだけ、ということですわ。 貴方も彼女も、ほんと鈍感ですわよね〜」 うっ… 当たっているだけに言い返せないシェゾをしり目にウィッチはティーカップを傾ける。 「私をふったんですから、ちゃんと返事を返してあげてくださいね。貴方の本当の気持ちを」 店を出て行くシェゾにそう言って、ウィッチは見送った。 シェゾはただ黙って頷く。それが彼女を拒んだ自分の誠意ということを知っているから。 「……………………………」 ウィッチに承諾をし、気持ちも切り替えて向かったは良いが、シェゾは限りなく悩んでいた。 なぜなら、どう答えればいいのか自分でも分からないから。 ウィッチは気付かぬは当人ばかりと言ったが、シェゾとして自分にこんな感情がまだ残っていたこと自体が意外で、どう対応していいのか、検討もつかないのだ。 だからこそ、知らぬふりをしてきた。 だけど、それももうできない。 魔女見習いの少女の気持ちには応えられず、魔導師見習いの少女の気持ちを知ってしまったから。 一人の人間として応えないといけない。 彼はそう思っていた。それでも、言葉がみつからず、どう応えればいいのだろう…。彼は迷っていた。 ごく慣れ親しんだ、魔力の波動は、集中してすぐに見つかる。 魔法を使えばすぐにでも彼女のもとへいける。 それでもそうしないのは、まだ応えるにふさわしい言葉が見つからないから…いや、違う。応える一歩が踏み出せないのだ。 じっと、手に持つ包みをみつめる。 魔力と共に思い出すのは、強い意志を秘めた金色の瞳、あきらめない眼差し。花が咲くように笑う、彼女の姿。 そして… あの夜の不安そうにゆれる瞳と小さな姿。 きゅっと唇を引き締め言葉を紡ぐ。 シェゾの姿はその場からつむじ風のように消え去る。 「はぁ〜〜〜〜…」 ここ最近、アルルは非常に暗い。 今日もなにをするとでもなく、丘の上にこしかけ空を見上げていた。彼の瞳の色をみあげていた。 彼はうけとってくれた。 自分の想いを伝えた。 彼は答えなかった。 ただ、一言「しばらく時間をくれ」そう言った。 これは期待をしていいのだろうか… そんな思いがよぎる。 けど、そう考えると同時に、彼は断る言葉を捜しているのかもしれないと考えしまう。 (だって、シェゾは自分でわかってないだけで、とても優しいから) 自分を傷つけない言葉を捜しているのかもしれない。 不安が紙ににじむ水のように広がっていく。 「はぁ…」 ため息とともに空から大地へ視線をうつす。 風が彼女の髪をゆらす。 彼女はまだ気が付かない。 腰掛けた彼女の後ろに彼が立っていることに。 決意を秘めた表情の彼が口を開く。彼女の名前を呼ぶ。 耳に馴染んだ声に慌てて彼女は振り向いた。 目の前に立つ人物にただ驚いて目を丸くする。 彼女の側に近づき、彼は手に持った包みを渡す。 受け取りながらも彼女はどうしたらいいのか分からないとばかりに途方にくれた瞳を彼にむける。 そんな彼女にどこか弱ったような表情をして、彼は囁くように小さな声で何かを言う。 その言葉は確実に彼女に届いた。 涙が金色の輝きをゆらめかせ、春のような笑顔が彼女に浮かぶ。 彼はそっぽを向いてなにも言わない。これが自分の精一杯だ、とばかりに。 ♪HAPPY END♪ あとがき はい、ホワイトデー小説です。14日の朝に書き上げました(笑) 一応、出だし数行だけはあったので、あとはノリで30分で書き上げ(ぇ えーと…とりあえずシェゾさんが素直に気持ちを言葉にするなんて、どうにも私の脳みそがうけつけません。 いや、マジで。 だから、まぁ、こんな感じになりました。 えぇ、もぉ昔のように素直シェゾを書くのは無理です。あの時でさえ辛かったのだから(;;) だから、こんな形になりました。 そして、タイトルはまんまです。返事を意味する英単語。ホワイトデーはそのままタイトルとしては使いたくないなぁと思ったのですよ。それだけ。 |