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ことの起こりは数日前。 「ねぇ、アルル」 「なぁに?」 ルルー邸宅にて、アルルとルルーはお茶を共にしていた。 「もうすぐ14日ね」 「うん?…それが?」 意味深に言うルルーに対して???という風に首をかしげるアルル。 そんなアルルにはぁ〜という深いため息をついて、ルルーはお茶を飲み干す。 カチャッ、ソーサーにカップが置かれると同時にどこからともなく爺がやってきて暖かいお茶を注ぐ。 普通ならば驚くところだがこの邸宅…というか爺に関しては驚くべきことではない。そのためか、アルルも気にした風なく、だから何さ?と、ため息にさらに首をかしげていた。 「14日といえば、バレンタインデーよっ」 「…あぁっ そういえば、そうだねぇ…」 そっかそっか、と力むルルーの言葉にアルルは頷いた。 「そっかそっか…て、あんたは誰かにあげないの?」 「うーん…特に考えなかった……あっでもカーくんにはあげないとすねちゃうかなぁ…」 「それだけ?」 唇に指をあてて言うアルルにルルーはちょっぴし意地悪そうな笑みを浮かべて尋ねる。 「ちゃんと、本命で渡したい人いるんじゃないのぉ?」 「…… なっ…!べ、べつにいないよぉ!!」 ブンブンブン…ッ しばらくの間の後、アルルはボッと顔を真っ赤にすると、髪が頬に当たる勢いで首を横に振る。 「ふぅん、そう。なら、いいけどね。 そうそう、ウィッチもついに行動にでるらしいわよぉ。 私にはあの変態の何処がいいのか全くわからないけどねぇ」 にやにや、という形容詞が合いそうな笑みを浮かべてルルーが言うと、アルルの表情が一瞬こわばる。 「ふ、ふぅーん…そうなんだ」 どこか無理をしているような、棒読みとも言える発言をするアルルにルルーは楽しそうに笑みを深めた。 これ以上深くつっこまれないうちにっ 危機感を感じたアルルは自分自身の話題から変えようとする。 「ルルーはやっぱサタンに?」 「当たり前じゃない。 もう準備もできてるから、作るだけよっ」 今回はカーバンクルにも頼らないで、ちょっぴしオトナな雰囲気を目指したものを! ゴォォォォォという音と共に炎がルルーの背中で燃え上がっている様な、そんな雰囲気をもって拳を握るルルーにアルルは乾いた笑いを浮かべて明後日の方向を見上げた。 「そっかぁ…バレンタインかぁ……」 「…なんていうか……流されたって感じかなぁ〜…」 湯煎をしながらアルルは自分に対して呆れたようなそんな表情を浮かべていた。 湯につかるボールの中では黒いチョコレートが段々と溶けていく。 「まぁね…ボクだっていい加減自覚しないでもないけどさ…」 他の材料とチョコを入れて、混ぜ合わせる。 「だけど…決心が付かないっていうか…」 (どうしても、どこかで歯止めをかけちゃうんだよねぇ…) 本を見ながら、両手の平でチョコを丸めていく。 一個、二個と順調に形よくまとまっていき、材料をすべて使い切ると、冷蔵庫へとそれらを移す。 「さて…と、こっちは準備完了ということで…」 茶色のチョコレートを大量に取り出すとアルルは早速細かくし始めた。 「あっ、こらカーくんダメでしょ!」 キミの為に作ってるんだからねっ 台所へとやってきたカーバンクルにスポンジを食べられそうになり、慌ててアルルが手を伸ばす。 「ぐーっ」 「明日の楽しみにしなさい」 ちょっとだけぇ、という感じのカーバンクルにメッとデコピンをすると、台所からカーバンクルを追い出す。 目の前のスポンジに溶かしたチョコをかけていく。 特大チョコレートケーキの完成はもうすぐだった。 2月14日。St.Vlentine’s day。早朝。 まだ太陽が昇り始めて間もない時間に目覚めたアルルは夜中に作っていたチョコレートの具合を確かめてラッピングの準備をする。 「受け取ってもらえるかな……」 (それ以前に会えるのかな…) 白と青のチェック柄の箱にチョコを詰める。 (会えたとしても、どうやって渡そう…) 「義理とかそんなので誤魔化すのも嫌だし」 (ていうか、無理してもらう必要はないんだよねぇ) 銀の縁取りがされた薄い青のリボンで箱を飾る。 「でも…」 (本当の気持ちを言って、何も応えてくれなかったら…) アルルはじっとラッピングも済ました完成品をみつめる。 拒絶されたら、という恐怖が心の中に浸透していく。 やっぱり、止めようか… そんな思いがよぎった時、数日前のルルーの言葉が思い出された。 『そうそう、ウィッチもついに行動にでるらしいわよぉ。 私にはあの変態の何処がいいのか全くわからないけどねぇ』 その言葉に触発されるかのように脳裏では、ウィッチからチョコレートを貰う彼の姿が思い浮かび、カウンターごしでかわされる彼らの会話に胸がモヤモヤとした時のことまでも思い出させる。 彼が別の女の子と話しをしているとき、モヤモヤとした何かが自分の中に生まれる。 イライラのような感じでどこか違っていた。 今ではそれが嫉妬であり羨望であると、わかる。 (ウィッチのチョコうけとるかな…?) もしも受け取ったら、と想像するだけで嫌だった。 胸が締め付けられて、苦しくて苦しくてしかたなかった。 カタンッ パタパタッ パタンッ 立ち上がったアルルは、ラッピングされた箱を青い紙袋に入れて家を飛び出した。 この気持ちは譲れないものだから いつまでも モヤモヤを抱えていたくないから はっきりとさせておきたい 何も伝えず ただ嫉妬するだけは もう嫌だ 彼がいる場所。 その扉の前に立ち、ノックをしようとする。 けど、腕を動かせない。 ドクンッドクンッ… 心臓の音がうるさい位に聞こえる。 不安で一歩が踏み出せない。 足がきびす返しそうになる。そんな時、『ウィッチもついに…』ルルーの言葉が再びアルルの中に思い出される。 スッと一つ深呼吸。 意を決したアルルはコンコンッ、ノックをした。 しばらくの間に(もしや、寝てる?)という夜型な彼に別の不安を覚え始めるアルル。 しかしながら、どうやら部屋の主は起きていたようで、ガチャリッとノブが回る。 なによりも大切だから 誰よりも強いこの気持ちを 伝えよう… あの人に FIN あとがきぃ 初VD小説です。ヴァレンタインでございます。 ていうか、アレっすな。決着つけてませんがな・・・(笑) すいませぇーん。発覚してから決心するまでが好きなんです我輩(爆) 著者の中ではシェアルだけど、 一応、話の内容としてはアルル→シェゾ←ウィッチという感じにしてます。 WDに書く気力があったら、この話の結果、書いてみようかなぁ・・・ネタまだないけど。 なんせ、これも突発的に深夜12:30ぐらいから2:00ぐらいで書き上げた作品なもので(^^;) とりあえず、バレンタインというイベントを今まで書いたことなかったので挑戦してみました。よろしければ感想ください。 ついでにこの後の展開、誰か考えて(マテ |