風と丘と音色とバイオリン
風月 藍


どこからか聞こえてくる音色 風に流れて聞こえるそれは哀しく聞こえる

丘の上にある大きな洋館からだ
風に逆らい 音色の元へ駆け出していた


いつもは閉じられている門が何故か開いていた あたしは奥へと歩いていく
音色は別の音楽へと変わっているのに哀しさは同じだった

たどり着いた場所には一人の青年が音色を奏でていた

キレイなのに哀しい姿は音色と同じ
知らずに涙が伝っていた
音色が途絶える


目の前には青年がいた 
「どうして泣いているの?」

姿と音色と同じ美しい声で尋ねる青年は瞳に音色と同じ哀しさをたたえていた

どうしてか あたしにはそれが分かった

「君が哀しみから抜け出せないからかな」
「僕のために泣いてくれるの?」
「君のためかは知らないけど君が哀しいとあたしも哀しくなるの」

「そっか。……ありがとう」
青年の言葉と一緒に風が激しく吹く 目を閉じたあたしが再び目を開けた時

そこに青年はいなかった……古ぼけたバイオリンだけがあった
あたしがバイオリンを手に取るとかすかに音色が聞こえた
最初の音色と同じくらいキレイで でも嬉しくなるような音色

もう一度 流れた涙は何だったのだろう?

不思議な出来事はあたしにバイオリンへの道を開き
不思議な音色と想いを残した








◆あとがき◆
実言うと、ふしめけで掲示板に書こうとした小説のような詩。
長くなりすぎたので、メールでミズキさんに送らせてもらったもの。
結構気に入っているので、ここにも載せてみました。
不思議な感じなものがすきなんです。
神秘的なやつとか。そうゆうイメージのものが。
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