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うっすらと部屋にこもる煙の中、完成への喜びのあまりにもれる笑いが大きく響いてしまいました。 「完成ですわっ……あとは臨床実験のみですわね」 さて、どうしましょう。 蜂蜜のような、けれど何処となく透明感のある蜜色の液体が入ったフラスコを見つめ、私は被験者を頭の中でリストアップし始めましたの。 「…………!」 やはり、あの人ですわよね… 私は一人の人物を思い浮かべると満面を笑みを浮かべて、早速準備に取り掛かりました。 「気持ち良いですわねぇ〜」 箒にまたがり、風に金色の髪をなびかせ、私はアルルさんの家へと向かっていました。 トンっ 軽く地面に立つと、私は窓をノックいたしました。 「あれ?ウィッチ。どうしたの?」 すぐさま、アルルさんが扉を開けて、不思議そうに金色の瞳を瞬かせていました。 「いえ、良いお天気ですので、ピクニックでもいかがかとお誘いにきたんですの」 にっこりと笑い、私は手に持っていたバスケットを掲げて見せました。 「……ピクニック?」 きょっとんとするアルルさんに、私は軽くうなずきます。 「ぐーーーー☆」 と、突然アルルさんの後ろから黄色の物体…カーバンクルがひょこりとあらわれました。 「……うーん」 くいくいとアルルさんの袖をひっぱているところからして、カーバンクルは行こう行こうとアルルさんに誘いをかけているのでしょう。 アルルさんは少々首をひねり、考え込むと、「いいよっ」とうなずきましたわ。 「で、何処に行くの?」 「そうですわねぇ。じつはこの前とても良い場所を上からみつけましてね…」 パタパタパタとマントを取ってきたアルルさんに私は箒に乗るように促して、そう言いましたの。 風はまだ少しばかり肌寒い。 露出していた部分が冷たくなり始めた時、私たちは小高い丘の上に到達しました。 「ここ?」 「ええ。こっちを見てください」 普通そうだけど?と首をかしげるアルルさんに私はアルルさんの左側の方向を指差してあげました。 「うっ……わぁ〜〜〜〜〜」 眼下に広がる何処までものびた緑の水平線。 露がついた広い葉が日の光に輝き、煌めきが緑の中に瞬く。 花鳥風月とはまさしくこのことなんでしょうね。美しい自然の光景がそこには広がっていましたの。 「どうです?良い場所でしょ」 実験との為とはいえ、もう少しの間独り占めしときたかったですわ。 「うんっ!」 目を輝かしてその風景に見惚れるアルルさんの肩の上で、カーバンクルはぺしぺしとアルルさんの頬を叩きました。 「ぐっぐっ」 「あっ、ゴメン。 ねぇ、ウィッチ、カーくんが早く食べようだって」 アルルさんはカーバンクルに謝ると私にそう告げましたの。 「はいはい。それでは、早速いただきましょうか」 アルルさん方から言っていただき、私はやっと実験が出来るとホッとしましたの。 「はい、どうぞ」 バクバクとサンドウィッチなどバスケットにつまっていた食べ物を食べていくカーバンクルをよそに、私は特製ブレンド紅茶をアルルさんに手渡しました(笑いがこぼれない様にするのが大変でしたわ) そう、ウィッチ特製「人の心の本心が言葉になってしまう薬」をブレンドした紅茶を。 「ありがとうっ」 タマゴサンドをぱくっと一口食べ、アルルさんは紅茶を一口含みました。 効果が現れるまで数分かかるので、それまでアルルさんとの会話などで間を持たせようと私は考えました。 そろそろ、効果が現れるかなというところで、突如つむじ風が私たちの目の前で起こりましたわ。 「きゃっ」 私たちが風に驚いていると、つむじ風の中心に人影が見えました。 突然のことに私たちはその人影つまるところシェゾさんをきょっとんと見つめてしまいましたわ。 いきなりでしたから、驚いてしまいましたの。 けど、さらに唖然とすることが次の瞬間に起りましたんですの(と言ってもいつものことなんですけどね) 「お前が欲しいっ!!」 あいかわらずのセリフとともに、アルルさんに剣を突きつけるシェゾさん。 私はすかさず防御魔法の準備をいたしましたわ。 いつもなら、アルルさんがここでファイアとか攻撃魔法をひとつシェゾさんに向かって放つはずでしたから。 しかし、それは起こりませんでしたの。 「…………」 どこか、焦点が合わないというか、潤んだ瞳でアルルさんはシェゾさんを見つめていました。 …あっ、薬が効き始めましたのね……けど、ちょっと様子が予定とは違う形なような… そんな風に失敗したのかしら、と不安に思っていましたとき、アルルさんは立ち上がりシェゾさんに近づいて行きました。 「?」 少しは様子がおかしいと思ったのか、不思議がるシェゾさんに近づくとアルルさんは、 「シェゾ、大好きv」 いきなり抱きつきましたんですの。 「○×※◇#□☆♭!?!??」 シェゾさんは顔を真っ赤にして、意味もなく腕を振り回していました(おもしろかったですわ) ネコがなつくようにアルルさんはシェゾさんにゴロゴロとすがりついていましたわ。 …これは完璧に失敗ですわねぇ…… ふぅ〜とため息をつき、私は何がいけなかったのか考え始めようかと思ったが目の前の出来事の方が面白そうですので、観察をすることに決めましたの。 私に気がついたシェゾさんは、混乱気味ながらもなにやら悟ったようでしたわ。 「お、おいっウィッチ!!こいつに何飲ませた!?」 「……何って言われましても、本来の効能とは違いますので、なんとも言えませんわ」 「違うって……」 何とかアルルさんを引き剥がそうとしながら、シェゾさんはなさけない表情で私を見ましたの(そうめったに見れませんわね、きっと) 「本来なら、そうゆうのではなく、今現在思っている事を言葉に出すはずですのに… 何を間違えたんでしょう…?」 「俺が知るかーーーー!!」 「シェゾv」 私が首をかしげていると、シェゾさんは悲痛そうな叫びをあげて、アルルさんは幸せそうにシェゾさんに抱きついていました。 「なぁ…本来じゃないていうことは、持続時間とかも…」 「わかりませんわ」 一筋に希望にすがりつきたい気持ちなのだろうシェゾさんに、私はきっぱりと宣言いたしました。 あらかさまに落ち込むシェゾさんの肩をぽんっと叩き、 「カーバンクルは私のほうで預かりますので、アルルさんをよろしくお願いしますね☆」 「えっ・・・おい、ちょっ、まってこらっ!!」 シェゾさんの言葉を無視して私は呑気に寝ていたカーバンクルを引っつかみ箒で空へ。 さてさて、シェゾさん自身も嫌ではないはずですわよねぇ。 私がいなくなれば、素直な反応もでますよね。 水晶を取り出すと、私はアルルさんの魔力を頼りに念じると水晶は二人の姿を映し出しましたわ。 「くそっ、ウィッチのやつ。 まともなものつくれねぇのかよ」 ……失礼ですわね。 「シェゾシェゾ。ご飯できたよぉ♪」 アルルさんはそう言って、鍋を運んできました。 かすかに見える家具調度類からみて、アルルさんたちはシェゾさんの家にいることが分りましたわ。 「ああ…」 アルルさんに返事をしたシェゾさんは、どこか諦めきったように見えましたわ。 「ねぇねぇ、おいしい?」 「ああ」 「ほんと?じゃあじゃあこれは?」 珍しくカレーではない食卓。アルルさんが何かを取るとシェゾの前に持ってきました。 そ、それは…(まさしく新婚のご家庭にて見られる…) 思わず私はじっと水晶を見つめてしまいましたわ。 「……えっ…」 途惑うシェゾさんをよそに「あーんv」とアルルさんは笑っていましたわ。 「…………」 思わず固まるシェゾさんをみて、アルルさんは「食べてくれないの?」と瞳を潤ましていました。 アルルさんの今にも泣きだしそうな表情に、シェゾさんの額から一雫の汗が流れるのが見えたような気がしましたわ。 驚いたことに、数秒後、ぎこちない動きでシェゾさんは口を開きましたの(あのシェゾさんがですわよ!) それをみて、アルルさんはパッと笑い「はい、あーんv」と嬉しそうにシェゾさんの口にはこんでいきましたわ。 「おいしい?」 キラキラキラとまわりに光が見えそうなぐらい期待をしている表情でアルルさんが言うと、シェゾさんはもごもごと口を動かし、「ああ」と答えました。 ラブラブですわね。ある意味。 そんな風に思いながら見ていると、同じ事繰り返して、そのうち夕飯が終わりました。 「ねぇ、シェゾ一緒にお風呂はいろっv」 「んなっ、な、ななななななななな…」 もう、それはもうタコみたいに真っ赤になるシェゾさんにすりより、「ねぇ〜」とアルルさんはねだるようにシェゾさんの袖をかすかにつかんでいました(大変ですわねぇ…) 「……一人でいけっ!」 バッとアルルさんから袖を振り払うと、別室へとシェゾさんは閉じこもってしまいましたの。 「あらら…」 これからが面白いところですのに。 私は水晶の前でそう思っていると、クーとお腹がなってしまいましたの。 「そういえば、私も夕飯まだでしたわねー」 そう呟くと、「ぐー」というカーバンクルの声がしました。耳ざといですわね。 カーバンクルを引き連れ、一旦遅い夕食の準備のため、水晶の前から私は離れましたわ。 夕食を食べ終わり、私が水晶の前に戻ると、今度はシェゾさんの魔力を中心的に見てみましたの。 いつの間にかお風呂から上がってきたのか濡れた銀髪をタオルで拭いているシェゾが見られましたわ。 どうやら、シェゾさんの寝室みたいですわね。寝台の上に座っていらっしゃるのが見れましたわ。 「シェゾぉ」 グッドタイミングですわね。 扉から入っていた男物のシャツをパジャマ代わりにしているアルルさんの姿に私はそう思いましたの。 「なっ」 アルルさんの姿に驚いているシェゾさんにアルルさんはてこてこと近づいていく。 「ど、ど、どどうした?」 どもりながらも、なんとか言葉にしてシェゾさんはアルルさんに声をかけましたの。 「一緒に寝てもいい?」(ある意味生殺しの状態ですわよ、それは) 何かに恐い夢を見たのか、怯える小動物のような瞳でアルルさんはシェゾさんをみつめしたわ。 ものすごく長い間、シェゾさんは黙り込んで、赤くなったり蒼くなったりとものすごく悩んでいる様子でしたわ。 「……べつに」(まっ…!?) 小さくシェゾさんはそう呟きましたの!(やはりシェゾさんも…) アルルさんはパッと顔を輝かして、シェゾさんのベッドへともぐりこみました。 「シェゾ、大好きv」 ベッドに入り込むとシェゾさんの頬にキスをして、アルルさんはシェゾさんの腕に絡まり、眠ってしまいました。 「……っ!?」 驚いて瞳を見開いていたシェゾさんは、すっかり寝息を立て始めたアルルさんを見て、頬を緩めていましたわ。 今までにみたこともない優しい微笑みを浮かべて、アルルさんを抱きしめました。 そして、なにか、こっそりとその耳元に囁いたようだが、それを聴きとる事は出来きませんでしたわ。 少々目の毒ですわね。思わずこちらが赤くなってしまいましたわ。 それに、あんなシェゾさん絶対みれませんわよ。アルルさんだからこそということでしょうか。 「にしても…」 予想通りでしたわー。 シェゾさんもそう悪い気持ちじゃないと思いましたのよっ。 おもわず、頬を緩めて笑いがこぼれてしまいました。 ああ、ルルーさんあたりにでもお話しようかしら。 そんな考えを浮かべながら、私も床につくことにしました。 ☆おわり☆ あとがき 1000HITをGETしたspringさんからのリクエスト<「いつ効果が無くなるのか分からない(もちろん解き方も♪)惚れ薬を飲んでしまったアルル」で激甘シェアル>を実行しようとした名残小説です(をい) ごめんなさーい。激甘とは言えなくなってしまいましたーーーーーーー(;△;) たぶん、設定の時点で間違えたんでしょうね・・・・ふふふ(虚) ウィッチさん視点という珍しそうなもので一工夫したんですけど、それでは意味ないですものね・・・。 次回あたりに恋人設定で何か書けば激甘を実行できるかしら・・・ とりあえずは、これでご勘弁をー。余裕がある時に「激甘」を実行しますでー。 なんとか「いつ効果・・・」のほうは達成できたとおもいます・・・えぇ。 ではでは、逃げます |